2021.01.19犬 乳腺腫瘍の腋窩リンパ節転移を疑う症例
リンパとは;血液が流れる管は血管ですが、リンパ液が流れる管はリンパ管
血液成分の内訳赤血球・白血球・血小板・血しょうであり、その血しょうは壁を通り抜けて組織液の基礎になり、リンパ管に入ってリンパ液となります
リンパ管の中を流れる液体をリンパ液(単にリンパともいう)と呼びます。リンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
さて犬猫の乳腺腫瘍犬ちゃんは50%くらいが悪性であり、猫さんは一説には85%以上も悪性です
そして脇の下のリンパ節・腋窩リンパ節やまたの部分の鼠経リンパ節に転移が起こることがあります
このうち鼠経リンパ節は乳腺組織と同時に切除することはよくあります
今回は超音波検査にて14mmほどに腋窩リンパ節が腫大しておりFNAにて転移を疑ったので
外科的に腋窩リンパ節を切除しました
病理検査の結果は腺癌組織つまり乳腺腫瘍の組織に正常な組織が置換されているんですね
今後はACプロトコールかトセラニブ(パラディア)での治療を行う予定です
本症例は紹介症例でありもっと早期な外科的な治療によりリンパ節切除は逃れられた可能性があり無念です
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