2023.01.30進行するまで症状がわかりづらい│犬の慢性腎臓病について
慢性腎臓病は犬に比較的よくみられる病気で、がんや心臓病と合わせて「三大死因」とも呼ばれています。
そんな怖い病気ですが、一度失われてしまった腎機能は元に戻らないため、いかに早く病気に気づき、進行スピードを遅らせられるかがカギとなります。
そこで今回は犬の慢性腎臓病について詳しくご紹介します。
症状
初期の場合は症状がみられませんが、病気が進行すると
・多飲多尿(水をたくさん飲んで薄い色のおしっこをたくさんする)
・食欲の低下
・体重減少
・嘔吐
などの症状がみられるようになります。
さらに病気が進行して末期状態になると尿毒症を引き起こし、激しい嘔吐や痙攣、意識障害などの症状が現れ、最悪の場合そのまま死に至ります。
原因
慢性腎臓病の主な原因は糸球体腎炎による腎機能の低下ですが、その他にも加齢や腎盂腎炎、腫瘍、尿路閉塞、糖尿病などによって腎機能が低下することでも起こります。
腎機能の低下は数ヶ月〜数年にわたって徐々に進行しますが、一度失われた腎機能は元に戻りません。そのため、早期発見・早期治療が重要になります。
治療方法
慢性腎臓病は残念ながら治療を行っても完治することはありません。
そのため、薬の服用や点滴、食事療法などを行い、症状を軽減したり、病気の進行スピードをできるだけ遅くしたりします。
食事療法については、ごはんを腎臓のケアができる犬用療法食に変更するなどして、リンやタンパク質を制限する必要があります。
当院では病院だけでなくご自宅でも行える皮下点滴や、薬の内服、食事指導を通じた治療を行っています。
治療法について詳しく知りたい方は、当院までお問い合わせください。
予防方法
慢性腎臓病は予防が難しく、初期の段階では症状が現れにくいため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。
ただし、症状がみられない初期の段階であっても、尿検査や血液検査などで異常を検知できる場合があります。
また、慢性腎臓病は7歳以上の高齢犬に発生することが多い病気です。
そのため、僧帽弁閉鎖不全症と同じく、7歳を過ぎたら半年に1回の血液検査を、1年に1回は画像検査を含めたフルチェックを受けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
犬の慢性腎臓病は初期症状が現れにくく、症状が現れた頃には病気がかなり進行しているケースも珍しくありません。
一度失われた腎機能は元に戻すことはできないため、定期的に健康診断を受けて、早期発見・早期治療に努めましょう。
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