2024.11.16腎臓のおはなし SDMA
腎臓病は一般的な病気であり、猫ちゃんでは3頭に1頭、犬ちゃんでは10頭に1頭が何らかの腎臓病に罹患するとされています。今回は早期診断の一助となるSDMAについてみていきましょう
SDMAとは
対称性ジメチルアルギニンのとでありアミノ酸のアルギニンがメチル化されたものです。腎臓から排泄されGFR(糸球体濾過量)と高い相関がありBUNとCREと同様に腎機能評価にもちいます
早期に上昇
CRE(クレアチニン)は腎機能が75%喪失しないと上昇しないことに対してSDMAは平均40%の喪失で(早い場合には25%の喪失)で上昇します
猫さん平均17か月、犬さん平均9.8か月早い発見が可能とのことです😊
腎臓に特異的
またクレアチニンとことなり筋肉の影響を受けないためCKD(慢性腎臓病)のほか甲状腺機能亢進症のような筋肉量が低下するような動物の腎機能の評価をより正確に測定することができます
繰り返しますがあの有名なクレアチニンは腎機能(GFR)が75%失われて上昇するのに対してSDMAは40%の時点で上昇します 国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)ではCREよりもSDMAを基準にして腎不全のステージ分類をしています
尿比重(尿の濃さ)は
BUNやクレアチニンなどの代謝産物が上がる前に下がります これはネフロン(腎単位)が67%失われたときにおこりますが尿の採取時間や飲水量の変動も影響されてしまうという点が懸念点であります
尿中のタンパク(UPC)は
犬ちゃん0.5 猫さん0.4 を超える持続的なタンパク尿は糸球体性あるいは尿細管間質性のCKD(慢性腎不全)と考えられます
参照:IDEXX SDMAの結果解釈と後の対処 より
診断をして
参照 2019年度版 IRIS CKDガイドライン
ステージングし、治療
なかなか胃チューブまで受け入れる飼い主さまはすくないです、はい
先日も某腎臓病専門?病院から転院が来ましたが
うーん、正直ひどい治療内容でした ガイドラインに即した治療をまず行ってから
反応に乏しければ※飼い主さまにきちんとインフォームをして※オリジナル治療→俗にいうオーダーメイド…をしてください 夜間でのインフォーム大変です,,,
以上 まつばらでした