2022.12.06命に関わる病気につながることも│犬と猫の膀胱炎について
今年も年の瀬が近づき肌寒い日が増えてきました。冬になると飲水量が減ってしまうことが多いため、膀胱炎を発症する犬や猫が増えます。
人間では比較的よくある病気なので危機感をもつ飼い主様は少ないかと思いますが、実は放っておくと短期間で命に関わることもある怖い病気です。
今回はそんな犬や猫の膀胱炎について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。
膀胱炎の症状
そもそも膀胱炎とは、文字通り膀胱に炎症が起こった状態です。膀胱はおしっこを貯めておく働きがあるため、犬や猫が膀胱炎になるとおしっこに関するさまざまな症状が現れます。
具体的には、
・トイレに何度も行く(頻尿)
・おしっこの色が赤い(血尿)
・おしっこをするときに痛みで鳴く(排尿痛)
・トイレ以外でおしっこをしてしまう
・排尿前後にやたらと陰部を気にする
などの症状がみられるようになります。
また、場合によっては全くおしっこが出なくなり、急性腎障害を起こしてしまうことがあります。腎臓は不要な老廃物や毒素をおしっこの中に排出する働きがあるため、急性腎障害を起こすと体の中に老廃物や毒素が蓄積されて、尿毒症を引き起こします。
尿毒症になると
・元気や食欲がなくなる
・ぐったりする
・嘔吐する
・痙攣する
・意識がなくなる
などの症状が現れ、数時間〜数日で亡くなってしまうこともあります。
診断方法
ひとくちに「膀胱炎」といっても、その原因は細菌感染や尿路結石、ストレスなど多岐にわたります。
そのため、尿検査や超音波検査を行って膀胱炎を引き起こしている原因を特定します。
また、必要に応じて血液検査やレントゲン検査を行うこともあります。
治療方法
膀胱炎の治療方法は、症状の程度や原因によって若干異なります。
細菌感染が原因であれば抗生物質や消炎剤を服用しますが、尿路結石が原因であれば療法食を使って結石を溶かしたり、結石が大きい場合には手術で摘出したりします。
また、ストレスが原因であればストレスの元を取り除きつつ、消炎剤などを使った対症療法を行います。
予防方法
膀胱炎の発症予防のためには、
・水をたくさん飲ませる
・トイレを我慢させない
・ストレスを与えない
・猫に対しては、飼育頭数プラス1個分のトイレを用意する
ことが重要です。
特に冬場は飲水量が減ってしまうため、水飲み場を増やしたり、温かい部屋の中に水飲み場を移動させたりするなどの工夫をしてみましょう。
また、猫を飼育されている場合、飼育頭数プラス1個分のトイレを用意することで常に清潔なトイレを確保し、愛猫がストレスを感じず排泄できる環境を整えることも膀胱炎の予防につながります。
まとめ
膀胱炎はある程度予防が可能な病気です。そのため、特に膀胱炎が増える冬場は、飲水量が減ってしまわないよう工夫することが大切です。
こちらでご紹介した内容を参考に、ぜひ膀胱炎から愛犬を守ってあげましょう。
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