2023.03.29ウサギの膀胱炎について│水分不足と運動不足にはご用心!
ウサギのおしっこは少し特殊で、黄色〜オレンジ色のこともあれば、赤っぽい色や白く濁った色をしていることもあります。
特に、赤っぽい色のおしっこをすると、それが正常なおしっこなのか、あるいは膀胱炎で血尿をしているのかよくわからないという飼い主様も多いと思います。
そこでこの記事では、ウサギが膀胱炎になってしまう原因や、膀胱炎ではどのような症状が見られるのか、診断や治療の方法にはどのようなものがあるのか、などについて詳しく解説していきます。
原因
ウサギの膀胱炎の主な原因は「尿結石」です。
ウサギは健康であっても、おしっこにカルシウム結晶がたくさん含まれています。
そのため、カルシウム結石ができやすく、膀胱に結石ができてしまうと、膀胱の粘膜が傷ついて膀胱炎を引き起こしてしまいます。加えて、他にも汚れた床材やトイレの使用による細菌感染が原因になることもあります。
症状
ウサギが膀胱炎になると、以下のような症状がみられるようになります。
・何度もトイレに行く
・トイレに行っても少ししかおしっこが出ない
・血尿が出る
・尿から普段とは違う異臭がする
・食欲が減退し、ごはんをあまり食べなくなる
ただし、ウサギは健康であっても茶色〜赤っぽい色のおしっこをすることもあるため、おしっこの色だけで血尿かどうかを判断するのは難しいと言えます。なお、血尿かどうかは、尿検査をすることで判断できます。おしっこの色に加えて、いつもと違う臭いがするなど上記のような症状がある場合には、早めに病院を受診しましょう。
診断方法
ウサギの膀胱炎は、問診と触診を行った後に、尿検査、レントゲン検査、超音波検査によって診断します。
採尿は病院で行うこともできますが、ご自宅で採尿していただくとウサギへの負担が少なく済みます。トイレに何も敷かずに、あるいはペットシーツを裏返したものを敷いておしっこをさせると、簡単に採尿ができるのでおすすめです。
病院に持参する際はなるべく新鮮なものを用意していただくと、より正確に検査を行うことができます。
治療方法
主な治療方法は、抗生物質や消炎剤などを投与する投薬治療を行います。
また、場合によっては膀胱洗浄を行ったり、膀胱炎の原因が結石によるものである場合には、外科的に膀胱結石を取り除いたりすることもあります。
予防方法
おしっこからカルシウム結晶をなくすことはできませんが、飲水量が少ないと結石ができやすくなってしまいます。給水ボトルと給水皿を両方置くなどして、飲水量が少なくならないよう工夫しましょう。
野菜にも水分が多く含まれているためたくさんあげたくなってしまいますが、かえって飲水量が減ってしまうこともあります。主食はあくまで牧草なので、野菜はほどほどに与えるようにしましょう。
また、運動量を増やすことで飲水量が増加したり結石ができにくくなったりするため、部屋んぽ(室内でお散歩をすること)や、うさんぽ(リードとハーネスをつけて屋外へ連れ出し、お散歩をすること)を行い、運動不足にならないよう気をつけましょう。
さらに、細菌感染による膀胱炎を防ぐため、床材やトイレの掃除はこまめに行い飼育環境を清潔に保つようにしましょう。
まとめ
ウサギのおしっこにはカルシウム結晶が多く含まれていることから尿結石ができやすく、膀胱炎になりやすい動物です。日頃から水分不足や運動不足にならないよう気をつけ、膀胱炎が疑われる症状がみられた場合はぜひ当院へご相談ください。
当院ではウサギを始め、カメ、ハムスター、フェレットなど、エキゾチックアニマルの診療を行っています(鳥類は診療対象外のため、あらかじめご了承ください)。
エキゾチックアニマルの診療をご希望の場合は、必ず事前予約のうえお越しいただきますようお願いいたします。
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